2016年 11月 01日
Gone Home コンソール版の日本リリースが実現した経緯について |
Gone Home の日本語版が日本のPS Storeにて、PS Plus用のフリープレイタイトルとしてリリースされることになりました!
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2016年11月のオススメ「フリープレイ」『Gone Home: Console Edition』
以前の記事で日本でのリリースは、パブリッシャーによって断念された(売り上げが見込めない等が理由)と書いたのですが、それがどうして今回一転してリリースの実現に至ったのか、その経緯を少し報告したいと思います。
実際向こうのパブリッシャーはもう日本リリースはしないとのスタンスだったようです。なので僕も残念に思いつつその旨をこのブログに書いたのですが、その記事をひょんなことからSIE(当時SCE)のローカライズプロデューサーである石立大介さんが読んでくださり、その後に作品について話をしたいと連絡をいただくこととなりました。
そこである席で改めて Gone Home の現状について説明をしたところ、「パブリッシャーは売れないと言っているかもしれないけれど、きちんと宣伝をして売り方を考えればこのタイトルは日本でもきっといけるはず。できればリリースを実現させたい」との言葉をいただきました。とてもありがたいことで、こちらとしては無論その申し出を断る理由はありませんでした。SIE 側としてもインディーゲームのラインナップをさらに充実させたいという意向があり、そのひとつとして Gone Home を選んでくださったということもあるようです。
それでゲームの制作者である Frullbright のスティーブ・ゲイナーさんに連絡をしてみたところ(親日家でもあるスティーブさんは元々日本リリースに乗り気で、パブリッシャーの意向でやむなく断念していたということもあり)、是非ともその実現に向けて動きたいとの返事をいただきました。これで本格的に話が動き始めたという感じです。
石立さん含むSIEの方々でスティーブさんと連絡を取っていただき、リリースに向けてのプロモーション方法や、どうすればより多くの日本のユーザーに届くかなどを相談していただき、僕と共同翻訳者である武藤さんで再度翻訳の見直しをおこないました。トロフィーテキストに関しては北米版リリースの際に別の方がおこなった翻訳が入っているのですが、ゲーム内に使われるテキストに関しては僕と武藤さんの翻訳がそのままの形で実装されています。その後もいくつか解決すべき問題点が浮かび上がったりしたのですが、皆さんの尽力のおかげでついに今回のリリースを迎えることができました。
前回の記事は自分としてはある種 Gone Home に決着をつけるつもりで書いた部分があったのですが、ある意味それを書いたことで今回のリリースが実現したわけで、なんでも書いてみるものだなと思いました。これまでは有志による言語パッチという形でPC版の日本語を公開していましたが、Gone Home が日本で正式にリリースにされるのは今回が初めてということになります。PCに言語パッチを当ててプレイするというのはややハードルが高くなりますし、日本はやはりコンソールゲームが盛んな国なので、今回初めてプレイされる方々からどんな反応が返ってくるのか楽しみです。
自分がプレイして感動したり、イイ!と思ったゲームを日本語にしたいというのはローカライズに携わる者としての基本的な願いですが、いつもそれができるとは限らなくて、今回もそれで一旦は諦めたのですが、幸運なことにセカンドウィンドというかもう一度プッシュを受けることができて、それを実現してくれた石立さんやスティーブさんにはとにかく感謝です。
PCで英語版がリリースされてからすでに数年が経ち、見方によっては旬は過ぎたともいえるゲームですが、このゲームが持つ魅力は少しも色褪せていないと思います。短いゲームで、何を話してもネタバレになりかねないので宣伝しにくい作品ではあるのですが、映画を観るのとも小説を読むのとも違う、ゲームというジャンルでしか体験できないストーリーテリングの形を実現した稀有な作品だと思いますので、是非多くの方々にプレイしていただけたらいいなあと思います。
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2016年11月のオススメ「フリープレイ」『Gone Home: Console Edition』
以前の記事で日本でのリリースは、パブリッシャーによって断念された(売り上げが見込めない等が理由)と書いたのですが、それがどうして今回一転してリリースの実現に至ったのか、その経緯を少し報告したいと思います。
実際向こうのパブリッシャーはもう日本リリースはしないとのスタンスだったようです。なので僕も残念に思いつつその旨をこのブログに書いたのですが、その記事をひょんなことからSIE(当時SCE)のローカライズプロデューサーである石立大介さんが読んでくださり、その後に作品について話をしたいと連絡をいただくこととなりました。
そこである席で改めて Gone Home の現状について説明をしたところ、「パブリッシャーは売れないと言っているかもしれないけれど、きちんと宣伝をして売り方を考えればこのタイトルは日本でもきっといけるはず。できればリリースを実現させたい」との言葉をいただきました。とてもありがたいことで、こちらとしては無論その申し出を断る理由はありませんでした。SIE 側としてもインディーゲームのラインナップをさらに充実させたいという意向があり、そのひとつとして Gone Home を選んでくださったということもあるようです。
それでゲームの制作者である Frullbright のスティーブ・ゲイナーさんに連絡をしてみたところ(親日家でもあるスティーブさんは元々日本リリースに乗り気で、パブリッシャーの意向でやむなく断念していたということもあり)、是非ともその実現に向けて動きたいとの返事をいただきました。これで本格的に話が動き始めたという感じです。
前回の記事は自分としてはある種 Gone Home に決着をつけるつもりで書いた部分があったのですが、ある意味それを書いたことで今回のリリースが実現したわけで、なんでも書いてみるものだなと思いました。これまでは有志による言語パッチという形でPC版の日本語を公開していましたが、Gone Home が日本で正式にリリースにされるのは今回が初めてということになります。PCに言語パッチを当ててプレイするというのはややハードルが高くなりますし、日本はやはりコンソールゲームが盛んな国なので、今回初めてプレイされる方々からどんな反応が返ってくるのか楽しみです。
自分がプレイして感動したり、イイ!と思ったゲームを日本語にしたいというのはローカライズに携わる者としての基本的な願いですが、いつもそれができるとは限らなくて、今回もそれで一旦は諦めたのですが、幸運なことにセカンドウィンドというかもう一度プッシュを受けることができて、それを実現してくれた石立さんやスティーブさんにはとにかく感謝です。
PCで英語版がリリースされてからすでに数年が経ち、見方によっては旬は過ぎたともいえるゲームですが、このゲームが持つ魅力は少しも色褪せていないと思います。短いゲームで、何を話してもネタバレになりかねないので宣伝しにくい作品ではあるのですが、映画を観るのとも小説を読むのとも違う、ゲームというジャンルでしか体験できないストーリーテリングの形を実現した稀有な作品だと思いますので、是非多くの方々にプレイしていただけたらいいなあと思います。
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by gonehome-j
| 2016-11-01 19:25